オランダのおっさん

わずか三日の駆け足で、おさいと香港に行ってきた。

帰りの飛行機で隣りになったハゲのおっさんが、またこれがありえないぐらいせわしないおっさんで、ずっと新聞広げてばっさばさめくったり、何回も何回も靴下伸ばしたり、立ったり座ったり、そのたびにシートベルトを忘れて立とうとして腹にくいこんで「ぐっっ」と低いうめき声をあげたり、機内テレビにヘッドホン差そうとして何回も何回も読書ライト点けたり、靴を脱いだり履いたり、ビールと水とコーヒーを一緒に頼んだり、うわあこんなおっさんと4時間も一緒か、つらー。と思っていた。

無料で配ってたお菓子(ピーナッツ)をおかわりして貪り食ったと思ったら、ピーナッツにむせたせいかそのうち激しく咳き込みだして、トイレに立とうとしてまたシートベルトが腹にくいこんで「ぐっっ」ってなって、よけいげっほげほ咳き込んで、小走りでトイレに駆け込んだら中からおっさんがぐえっほげほ咳き込む声が聞こえる。

こっちもだんだん限界になってきて、でも別に悪いことしてるわけじゃないし、動くなじっと止まっとけって言うのもかわいそうやし。

こういうときって、おたがい他人だから不快になるだけで、話しかけて友だちになっちゃえばこっちも別になんてことなくなるの経験的に知ってるから、トイレから帰ってきても咳き込んでるおっさんに「だいじょぶッスか?」って聞いたら、こっちみたおっさん、意外に小動物みたいなかわいらしい目をしてた。

いまイギリスの帰りですねん。

あ、イギリス行ってたんですか。帰りに香港に寄ったんですか?

いえいえ、キャセイで帰るので、いったん香港でトランジットなんですわ。イギリスに友人がおりまして。友人っていうか彼女なんですが。泊めてくれますので

あ、いいですね。イギリスに彼女ってかっこええな。

かっこええことなんかおまへんて。私なんか独り身なもんで。家族がオランダにおりますやろ。

(「おりますやろ」って言われても知らんがな)あ、そうなんですか。家族がオランダに。

子どもらみんなオランダで独立したので、もうヒマで

あ、お子さんがみんなオランダに移住したんですか。

いや違いますねん。元の家内がオランダ人で。

あ、そうなんですか

ほんまは私も、会社リタイアしたら家族みんなでオランダで永住しようと思ったんですが。元の家内は私おいて先に行きやがりましたわー。

で、お子さんも一緒に付いてったんですか?

いや、子どもらは高校卒業したらもうずっとオランダに。

あ、日本で生まれて、高校まで日本に? じゃバイリンガルですね

そうですねん。家内とは別々にみんな暮らしてるんやけど。みんなオランダにおりますねん。いや今でこそ笑ろてますけども、出ていかれたときは本当に悲しくて悲しくて(とつぜん涙ぐむ)。

ああ、ああ、そうでしょうねえ、そりゃあね。ええと、でももうイギリスに彼女つくっちゃったんですね、すごいですね

(笑顔にもどる)いやいやそないすごいいうほどでもないですが。外国人と交流する雑誌があって……(このあたりてきとうに聞いてたので覚えてない)……そこで知り合ったんですが。年に4回ぐらい逢ってますわーでも移動が長くてしんどいですわ。30時間ほどかかりますねん。

30時間! (そのあいだずっと貧乏揺すりしたりせわしなくちゃかちゃか動いたりしてるんだろうか……)すごいですねー元気ですね。

ほんまもうしんどいですわー。

なんでオランダで元の奥さんと出会ったんですか? 日本で出会った?

いやいや、私オランダで長いこと仕事してましてん。

あ、そうなんや。旅行社か何か?

いえいえ、現地で銀行マンやってましてん。

えええ、オランダで銀行勤めてたんですか。すごいやないですか。

いえいえ、そんなすごいことないですわ。わたし大学中退して1年ほどヨーロッパぶらぶらしてまして。それで現地でもっかい大学入り直して、そのままオランダで就職したんですわ。

(そんなふうに見えない、こんなに庶民的なおっさんなのに……)へええすごいっすねー。オランダで大学出て銀行とかあこがれますわー。奥さんも。

いやそうなんですが、でもその家内に出ていかれたときは(また涙ぐむ)

あ、でもいまはイギリスに彼女がいるんですね

(笑顔で)私もう移動が大変で、この歳になると長距離恋愛もしんどいですわー。ところでおたくさんは仕事何されてますの?

あ、俺は大学の教員です。研究者です

ほー、そんなふうには見えまへんな!(おっさんもな)ご専攻は何ですか

社会学ですー

あ、そうなんですか。ほな移民とかそういう、カルチャーギャップ(この発音が妙によかった)とか、そんな研究とかどうでっか、おもろいでっせ

(どうでっかって言われてもな)ああ、そういうの興味あるんで、勉強してますよ、移民とか外国人労働者とか

いやもういまイギリスでもひどいもんでっせ移民が増えて

そうなんですか、香港もインド人やアフリカ系移民が多くてすごい面白かったですよ

でもあんなんおらんほうが暮らしやすいでっせ。あいつら黒人とか、何かというとすぐ差別だ人権侵害だって騒いで

いや、それはそれだけ生活条件が過酷なので、

あいつらね! みんなベンツとか乗ってまっせ! 国民より優遇されてまっせ移民は! それで何かといえばすぐ差別だの人権だの

(MacBookを開いて)すみません、ちょっと急ぎの仕事があるんで

そうでっか。

—————————————

くったくたに疲れて関空に着いて、すぐに梅田行きのシャトルバスに乗るのがしんどかったので、自販機でコーラ買って到着ロビーのソファにへたりこんで休憩していた。

もう22時ぐらいで、空港は静かで、あんまり旅行客もいない。

ときどき通りかかる観光客とか見て、ああやっぱり日本の人たちは身なりがいいしおしゃれだなあ、見ててすぐわかるな、とかおさいとしゃべってた。

左のほうからゴーっていう音がしてきたので、そっちを見ると、でっかいカートに大量の荷物を載せたオランダのおっさんが、満面の笑顔で真正面をむいて、全力で走りながらカートを押して、すごいスピードで俺たちの真ん前を、左から右のほうに通り過ぎていって、どこかへ消えていった。

IMG_3022

香港、楽しかったです。

スイッチ

ぼくの友だちのことなんですけど。

うん。

35すぎの、もういいおっさんで。職場にわっかい、22ぐらいの女の子が入ってきたんですて。

うん。

ほんで、仕事の現場に行ってて、ちょっと夜遅くなって。ふたりとも自分の車で来てて、

うん

たまたま同じ駐車場に停めてて。ほな、その女の子が、現場終わって帰るときに、「駐車場まで一緒に歩いて行きましょう」って言ったんですて。

うん

で、そのおっさんスイッチ入ってしもて、「俺のこと気があるんちゃうか」って

(爆笑)ありえへん。

え、ないすか

ないよ! 

マジすか

ないない! だって同じ駐車場に停めてあったんやろ? ほんなら帰るとき、一緒に駐車場まで行きましょかって、そら俺でもそれ言うで。

いや、まだあるんですよ

ほう

そのあとなんか普通にしゃべってて、なんかのイベントの話になって

うん

で、おれ行くねんって言ったら、その子が、いいなーいいなー私も行きたいって

うん

これ脈あるでしょ

(爆笑)ないわ!

ええ!

ないよ! ただイベントに行きたいんやろ! そら「人間的に嫌いではない」ぐらいの人が相手なら、「一緒に行きましょー」ぐらい言うやろ!

いやー。あのぐらいの歳の子って、上手っていうか、なんでそんな思わせぶりな態度を。

思わせぶってないよ(笑)

そしたもうそのおっさん、スイッチ入ってしもて。

うんうん

そのあと、自分の電話番号を紙に書いて、いきなりその子に渡したんですて

マジで(笑)やってもたな。

ほんで、そのあとぜんぜん連絡も来えへんし、

そりゃ来んやろ

おっさんめっちゃ落ち込んでしもて。

ぎゃはは

それ以来、職場で目もあわしてくれんと。

あははは

ちなみにたこ焼きみたいな顔してるおっさんなんですけど

知らんがな。たこ焼きみたいな顔のおっさん、たまにおるけどな。

めっちゃ悩んでるんです。

はー。

で、「あれはいったい何やってんやろ。俺に気があるんちゃうかったんか」って

まあでも、そういう「勘違い力」がなかったら、この世から恋愛というものがほとんどなくなってしまうけどな……

おはぎときなこのこと

夜中によく散歩をしている。

もう何年か前、いまの家に引越す前に、夜中に近所を歩いていて、甲高い声で泣いている、「鳴いている」ではなく泣いている犬がいた。3階建ての建て売りの家の、一階のガレージにつながれっぱなしになっていたその雑種の犬は、たまに散歩のときに見かける子だったけど、そのときはべったりと横たわって、甲高い声でか細く泣いていた。

思わず近寄って声をかけながら撫でてやると、すぐに大人しくなって、ぱたんぱたんと尻尾をふると、やがて静かになって寝てしまった。

次の日、その子はいなくなってて、紐や水皿もなくなっていたので、たぶんあのときに死んだのだと思う。死ぬ直前になってさみしくなって泣いていたんだろうか。撫でてあげられてよかった。

    * * *

おはぎときなこを拾ってから13年ぐらいになる。結婚してすぐにおさい(連れ合い)が職場から拾ってきた。当時のおさいの職場は某県の部落解放同盟の研究所で、荊冠旗がでかでかと印刷された段ボールに入れて、電車で大阪まで連れて帰ってきた。子猫の鳴き声がする荊冠旗の段ボールというのは、なかなかシュールな光景だったのではないだろうか。

おはぎは毛むくじゃらのバカで、すぐにぴーぴーなついてきた。そもそもおさいの職場で子猫がいることがわかったのもこいつのおかげで、誰かれかまわずエサをねだって鳴いていたらしい。

そのとききなこはまったく人になつかずに、逃げてばかりいた。連れて帰るのも一苦労だったらしい。

ちなみに連れて帰るときに、この二匹は大量のノミを置き土産においていった。しばらくはこの研究所の方々は苦労されたのではないだろうか。ウチでも大量に発生した。

    * * *

実は、おはぎときなこと、もうひとり兄弟がいたらしく、真っ黒な子で、その子は連れて帰る前に死んでしまった。

その子は研究所の庭の、「部落解放の偉人」たちの銅像の足もとに埋められた。

    * * *

おはぎが3階のベランダから落下したり(無傷)したほかは、なにごともなく健康でずっと可愛い。

ひとにはあんまりなつかないけど、飼い主にはもうべったりで、とくにおはぎは俺が仕事しているとかならずデスクに乗ってくる。デスクにはおはぎ専用のスペースがある。これを書いているいまも真横で寝ている。

きなこは愛想はないが美少女で色っぽく(若干デブだが)、ついついめろめろになってしまう。寒がりで、冬は必ず布団に入ってくる。

13歳とは思えないぐらい元気で、若いときとぜんぜん変わらない。さいきんはちょっと、爪とぎがおろそかになっていて、爪が伸びがちなので、人間が切ってやっている。変化といえばそれぐらいである。あ、あと、きなこがちょっと痩せたかな。

    * * *

拾ってくる前に死んでしまった黒猫は、おさいが後に「くろみつ」という名前だけを付けた。一緒に連れてかえればよかったと、そればかり言っている。

    * * *

動物を飼う、ということは、動物の死にも出会う、ということで、おはぎときなこがいなくなったときのことを考えるとどうしようもなく恐い。それまではせいいっぱい可愛がろうと思う。

    * * *

人格、という点において、基本的に猫でも犬でも人間と違いはない、と感じている。ふだん人間とかわしているのとそれほど変わらないコミュニケーションを、犬や猫ともしている。もちろん狭い意味での「言葉」は使わないが、それでもわずか2匹のおはぎときなこでもそれぞれ性格に大きな違いがあり、それぞれのやりかたで自分の思うところをこちらにぶつけてくる。会話の量も質も、人間とまったく変わらない。

こちらもだいたいふたり(どうしても2匹ではなくふたりと言ってしまう)のことはわかっているので、それぞれが過ごしやすいように、それぞれの寝床や居場所を作ってやっている。煮干しが嫌いで風呂の残り湯が好き、という共通点も多い。

俺はあまり動物は擬人化しないので、言葉をかけることはないけど、人と猫と犬の区別は日常生活では実はあんまりつかない、ということは、毎日の実感として、ある。

よく「犬派?猫派?」みたいなくだらない話があるが、子どものときは犬を飼っていて、家のなかでいちばん会話をしてたのがそいつだったので、犬も猫も身近な存在である。

    * * *

犬も猫も人間も、進化の過程でどこかが間違ってしまって、ほんらいは自分の友人や家族に向けるための友情や愛情という感情が、ほかの種族にも向いてしまうようになったんだろうと思う。

考えたらものすごくおかしな話で、われわれ生き物というものは、他の生き物を殺して食うということ以外に生きる道はない。このこと自体もきわめておかしな話だが、とにかくそれはそもそもそうなっているものとして受け入れた上でも、ほんらいは殺して食うはずの存在と、これほど深くて細やかな愛情をもって共に平和に楽しく暮らしていけるということは、まったく驚くほかない。

    * * *

もちろん焼肉も焼き鳥も好物である。

動物も好きだが動物の肉も好き、というのは、もうこれは少なくとも俺にとっては、この世に生きて存在する上での最大の謎であり矛盾である。

    * * *

そもそも犬や猫を虐待するやつも、ごく少数だがいるわけだし。

子どもや犬や猫を虐待する人間、というものは、おそらく普通に犬や猫よりも、俺にとってはコミュニケーションをとることが難しいだろうなあと思う。

    * * *

もう昔の話だけど、どこかの小学校のクラスで豚を飼ってて、みんなで可愛がって育ててたんだけど、最後にその豚を殺して子どもたちに食わせた教師があって、話題になってたな。詳しいことは調べてないし、いまも調べる気もないけど(子どもがその選択肢を選んだんだっけ?)、毎日まいにち殺された牛や豚や鶏や魚を食ってるものとして何を言っても説得力がないけど、俺が子どもだったら耐えられなかっただろうなあと思う。

    * * *

他の生き物を殺して食う以外に生きるすべがない、ということも人生の真理だけど、それと同時に、その他の生き物とこれほど深く愛しあうことができる、ということも、またひとつの真理ではあると思う。

まあ、生きるためには食っていくしかないけど、それでも。

    * * *

まあ、食うしかないんですが(笑)。

    * * *

まあこの話はええがな。

    * * *

しかしまあ、殺されたり虐待されたりする子もいるなかで、ウチのおはぎときなこはほんとうに可愛がられてるなあと思う。われながら、ムダに金をかけたりするのではなく、ほんとうに猫としての快適さを考えて、こいつらにとって暮らしやすいようにしてあげていると思う。ウチの猫どもは幸せである。

躾なども一切することなく、ただおはぎときなこの自然な行動や習性に合わせた家になっている。

というか、そのために安いマンションなどではなく、わざわざ土地を買って家を建てたのであった。猫のために設計したのだ。そのかわり超ローコストですが。窓に網戸も付いてないし、お湯をためるだけのバスタブなので、風呂の湧かし直しもできない。
    * * *

暑い夏に涼しい部屋でのびのびと横になっていたり、寒い冬に灯油ストーブの前でぐっすりと寝ていたりするのを見ていると、猫がうらやましくなるが、それでも「猫になりたい」とは思わない。リスクが高すぎるからである。捨てられて野良になるならまだしも、保健所行きになったり虐待されたりする可能性があることを考えると、猫になりたいとは思わないが、おはきなになりたい、とは思う。

猫になりたいのではなく、猫になって良い飼い主に飼われて、これぐらい溺愛されたいのである。さぞかし幸せな一生を送ることができると思う。

    * * *

ところが悔しいことに、というか、面白いことに、あるいは当然のことだが、おはぎもきなこも、自分たちがどれくらい幸せな猫であるか、まったく気付いていない。動物というものは比較とか想像とかが(おそらく)できないので、「他のかわいそうな子たちと比べて自分たちがいかに幸せか」ということを理解することができないのだ。

    * * *

なんとなく、「動物であること」の本質は、そこかな、と思う。自分の境遇を「他の視点から見てみる」ということをしない。こちらとしては若干悔しいというか、ちょっとぐらい理解してほしいとも思うけど。

逆に、そういうことを理解せずに、ただそこにいて、ほしいものを食べて、撫でてほしいときに撫でてもらって、寝たいときに寝てる、というのが、犬や猫の可愛さの本質なんだろうなと思う。

自分が幸せで、可愛がられていることを「理解」していない、ということが、その幸せや可愛さの本質である。

そして、自分が可愛いことや幸せなことを理解していなくて、ただこの家で一緒に暮らしているだけなんだけど、そういうおはぎやきなこのことが本当に好きだ。

そして、ぜんぜん飼い主に感謝もしないしありがとうも言わないけど(笑)、それでも毎日まいにち甘えてきて仕事の邪魔するこいつらは、感謝も理解も抜きで、たぶん本当に飼い主のことが好きなんだな、と思う。

    * * *

他の人間から、そんなふうに好かれることって、めったにない。うらやましいけど、もし自分が同じ境遇になっても、「自分が幸せであること」に気付くことができない、っていうのは、何か幸せとか愛とかいうものがもつ、本質的なところなんだと思う。

今年もよろしくお願いします。

喪中なのですが……。今年はようやく(ほんとうにようやく)沖縄関係の本が一冊出ます。続いて、部落の本と、個人的なインタビュー集が出る予定です。またこちらで告知させていただきます。

去年からはじめた、沖縄での階層にかんする調査も、今年2年目でなんとか形をつけたいと思います。来年にはこれも出版したいなあと思っております。

来年は1年間のサバティカルをいただく予定になっております。家に引きこもって、方法論の勉強をちゃんとしたいと思います。

というわけで、今年と来年は、他の仕事を減らしてでももうちょっとまともに研究に取り組みたいと思っております。

酒も飲みますが。

みなさま、今年も1年、よろしくお願いします。

おはぎときなこも、元気です。

IMG_6564

2012年の桜

近所の桜ノ宮でちょっとだけお花見してきました。お寿司やさんでおいなりさん買って食べた。駅前はすごい人だった。みんなバーベキューして楽しそうだった。おおぜいの中国人の集団の真横で、日の丸かかげたネトウヨっぽい男の子たちが萌えキャラの日本酒ならべてお花見してました。ほかにもいろいろ、なんか桜を見るより人を見てたほうが楽しかったな。ついったで検索してみたらゲイのひとたちもたくさん集まってお花見してたみたい。お花見って楽しいなあ。

ショットバーを開店しました。

告知です。このたび、6年勤めた大学を辞職し、かねてからの夢だったショットバーを開店することになりました。お近くにおこしの際はぜひお立ち寄りください。なお、全席禁煙です。

http://sociologbook.net/domingo/

—————————————

追記。いやあ……思いつきのネタでこんなにマジでだまされるひとが続出するとは思わんかった……メールやFBメッセージ、あとケータイに直接電話してきたりとか……今日の午後はずっと謝っておりました。みなさますみませんでした。

まあでも禁煙ショットバーはそのうちほんまにやりたいです。本当に開店したらまた告知しますので、みなさまおこしくださいませ。告知は4/1以外の日にします……。

きょうのおはきな

久しぶりにちょっとだけおはぎときなこ。クリックすると大きくなります。

おはぎです。
きなこです。

きょうもげんきです。

日常

さいきんのiPhone写真。

ギター売ります

追記・お買い上げいただきました、ありがとうございました!(2012.1.5)

さて、ギター売ります。Godin(ゴダン)の ACS Slim SA です。


クリックすると大きな画像が表示されます。

ウッドベースを再開して何かと初期費用が必要なのと、いったんベースを本格的に初めてしまうと爪を短く切ってしまうので、もうボサノバギターは弾けなくなった、というのがこんかいこいつを売りに出す理由です。15年ぐらいボサノバやってきたんですが……しかたないです。しばらくギターに戻る予定もないし、ウッドベース用のベースアンプも欲しいし、これ一昨年ぐらいに買ってからほとんど弾いてあげてないし、ずっと置いとくのも可哀相なので、もし弾いてくれる方がいれば、ぜひ引き取っていただきたいと思います。

一昨年に15万円ほどで新品で買いました。ほとんど触ってないのでほぼ新品のままです。純正ソフトケース付き。

こんな音です。ジャズやボサノバ向きですが、ロックで使ってるプロも多いです。

http://www.youtube.com/watch?v=uugv5n8nfQs
http://www.youtube.com/watch?v=XvubZzlDrO4

このギターに、なんとこのアンプを付けます!! アンプはイギリス製の Carlsbro というちょっとマイナーなメーカーのものですが、アコースティック用のめちゃめちゃ良い音がします(パワーは足りないですが)。

http://ja.audiofanzine.com/acoustic-electric-guitar-amplifiers/carlsbro/Sherwood-Junior/medias/

このアンプは中古で5万で買いました。

できれば引き取りに来てほしいですが、関西近辺なら直接電車で持っていきます(楽器を配送するの怖いので(笑))。上記のアンプ付きで、8万ぐらいでどうでしょうか(応相談)。ギターだけでも、という方もお待ちしております。

ご連絡をお待ちしております。こちらのメールまで。
kisi あっとまーく sociologbook.net

ルーカスのこと。

ルーカスっつっても映画監督の名字じゃない。コレジオ・サンタナに去年までいた中学生の男の子の名前。

ものすごいイケメンで、やたらとサッカーが上手く、ウチの大学にみんな招いてサッカー大会をしたときも、ルーカスがドリブルをしだすとウチの女子どもがいっせいに騒いで写メを取り出して、もういっぱしのアイドルみたいになっていた。

サンタナは中学までしかないから、15歳になったら卒業しないといけない。

卒業間近になったある日、とつぜんルーカスがブラジルに帰ってしまった。まだ中学も卒業していない。

どうしたの、と聞くと、実はルーカスの父親が、サッカー選手になるという自分の夢を息子のルーカスに託していて、どうしてもブラジルでサッカー選手にさせようとして、それでどこかの街のサッカークラブに入れるためにひとりでブラジルに帰したらしい。たしか姉だか従姉妹だかがいたらしいので、完全にひとりではないけれども、15歳で日本に住む両親と離れて、ほとんど記憶にもないブラジルに帰らさせられたということだった。

ものすごく心配した。サンタナの先生たちもものすごく心配していた。正直、15歳を過ぎてからサッカーの教育を受けても、ブラジルの水準にはとても追いつけないだろう。まともに学校にも行かずに、サッカーでも挫折したら、もうあとは転落するしかない。校長先生も泣いて心配していた。

そのあとしばらくして、ルーカスが地元の高校に進学したという知らせが入った。ルーカスの親戚が写真をたくさん送ってきて、俺も見せてもらった。

「ブラジルでは、気持ちの良い夕方、テラスに出てアイスティーを飲みます」と校長先生が説明してくれた。それは、ルーカスが、同年代ぐらいの友人たちと一緒に、玄関のテラスに座って、アイスティーを飲んでる写真だった。

サンタナでは、いつもちょっと不満そうで寂しそうな顔をしていたルーカスが、とてもリラックスした、男らしい顔になっていた。ああ、ブラジル人っていいな、ブラジルでの生活って、貧しくても楽しいんだな、と思った。

ウチの大学のグラウンドで一緒にサッカーをしたルーカスとは、たぶん二度と会うことはないと思うし、むこうも俺のことなんかもう覚えてないと思うけど、元気で頑張れよ。俺も日本で頑張るよ。