3泊4日の「社会調査実習」の合宿で、沖縄で20名ほどの高齢者の生活史を聞き取りして、たった今、伊丹空港から自宅に戻ってきた。
語り手の方は、ほとんどがあの沖縄戦を体験している。
ひとりの女性は、米兵に追われて山中を逃げる途中で迫撃砲をくらい、父親を亡くしている。自分も爆発の衝撃で土砂をまともにかぶり、傷だらけになったそうだ。
やっと山の中に逃げこんで、きれいな小川で着物と体を洗ったら、川の水が真っ赤になった。
土砂をかぶったと思ったのは、真横で被弾した父親の血や肉や骨だった。
お話を聞いたあと、その女性が持ってきてくれた大量のマンゴーを、学生たちとみんなで食べた。めっちゃ甘くてめっちゃ美味しかった。大きなタッパーに入れて持ってきてくれたマンゴーを、全部食べた。
逃げ込んだ山中では、あまりにもヒマだったので、自生しているタバコの葉っぱを乾燥させて手製のタバコを作って吸っていたらしい。
聞き取りが終わって、帰りにみんなで記念写真を撮るときに、彼女は笑顔で、ピースした。
ピース。